タオル業界構造改善検討会 委員名簿
平成13年5月


■委員
辻   悟一 大阪市立大学経済学部教授
角田 禮子 関西消費者連合会会長
長谷川芳正 日本紡績協会業務委員長
林  慶範
活ノ勢丹 営業本部MD統括部リビング第一営業部商品担当長兼支店担当長
高石  修 ゼンセン同盟大阪府支部次長
稲田  力 読売新聞社大阪本社論説委員
林 怡久雄 日本タオル卸商連合会理事長
甚野 直嗣 大阪府後晒タオル同業会代表
越智 敏裕 愛媛県繊維染色工業組合理事長
吉原 美秀 日本タオル工業組合連合会理事長
成願 昭彦 日本タオル工業組合連合会副理事長
近藤 寛司 日本タオル工業組合連合会副理事長
大村 洋三 日本タオル工業組合連合会副理事長
松藤  秀 日本タオル工業組合連合会理事
田附 豊治 日本タオル工業組合連合会理事
池内 計司 日本タオル工業組合連合会理事
藤高 豊文 日本タオル工業組合連合会理事
[順不同 敬称略][○印 座長]

■タオル業界構造改善検討会の開催状況

平成13年5月 2日(水)14:00 第1回検討会 於:大阪綿業会館

平成13年5月24日(木)14:00 第2回検討会 於:大阪綿業会館
平成13年6月14日(木)14:00 第3回検討会 於:大阪綿業会館
平成13年6月27日(水)14:00 第4回検討会 於:大阪綿業会館 中間とりまとめ

 

「タオル業界構造改善ビジョン」
〜消費者視点に立ったタオル産業の再生に向けて〜 中間とりまとめ
平成13年7月 日本タオル工業組合連合会

1.はじめに
2.現状の問題点、構造改善の必要性
3.これまでも長年提言され、行われてきた取り組み
4.タオル業界の目指すべき基本目標
5.3年後のタオル業界の将来展望
6.目標達成に向けて、今後3年間に緊急に取り組むべきアクションプラン
7.むすび


1.はじめに
 ギフト需要が80%という特異な市場環境の中で、マーケットニーズに合った商品開発を目指すことで今日の基礎を築いてきた日本のタオル産業は、中国をはじめとするアジア諸国からの廉価商品の輸入急増を受けて、国内生産が落ち込み事業所数が減少の一途を辿るなど、最大の危機に直面している。

 中国をはじめとする低価格商品の大量流入によって、国内マーケットにおける輸入浸透率は10年前の14.9%から57.5%に大幅にアップしている

 こうした現状を招いた原因としては、まず、これまで指摘されてきた課題解決のための自助努力が足りなかったということが挙げられる。とくにエンドユーザーのニーズにあった商品開発、流通改革への取り組みなど、時代への適応が遅れたことが最大の原因である。

 今日の危機を招いた原因をさらに詳しく分析すると、以下のようになる。

(1)ギフト需要に支えられた構造に疑問を抱かない商品開発を続けた
(2)問屋依存型の流通形態の中で、ライセンスブランドの開発に依存し、メーカーのあり方を見失ってしまった
(3)国内需要の活気に支えられ、海外市場から安易に撤退した C安易に生産ノウハウを途上国に提供した

 我々はこうした結果を招いたことを真摯に受け止め、この反省に立って消費者の目線で考え消費者本位のものづくりに転換していかなければ、明るい未来はないと考えている。そしてこれを契機に消費者直視の業界に変革し、消費者に安心と満足を与え質の高い商品を提供するという生産者としての使命を果たしていく覚悟である。

 本ビジョンの目的は、国内産業の競争力回復に向けて実行可能なアクションプランを明らかにし、それを着実に実行することにある。国内企業の中には市場の価格競争に打ち勝つため海外にシフトしたところもいくつかある。しかし、日本タオル工業組合連合会としては、国内産業としての生き残りを目指しており、本ビジョンの主眼は国内タオル産業をいかに活性化させるかに置くこととする。

2.現状の問題点、構造改善の必要性
  これまでのビジョンや外部から指摘されているタオル業界の現状の問題点は、大筋では変化していないが、ここで再認識しておく必要があるため、以下に列記する。

(1) 生産及び流通面における問題点


[ 1 ] リードタイムの長さ
[ 2 ] コスト高
[ 3 ] クリエーション(企画提案力)の不足
[ 4 ] 消費者を巻き込んだ物づくりへの努力不足
[ 5 ] グループ化、異業種連携への努力不足
[ 6 ] マーケティング及び情報収集力の不足
[ 7 ] 流通経路の複雑化・多様化
[ 8 ] 従来型流通チャネルへの販売依存体質
[ 9 ] 取引条件改善への努力不足
[ 10 ] 実需直結(自社開発及び販売)への取り組み不足
[ 11 ] 用途開発、新市場開拓への努力不足
[ 12 ] 新ルート(チャネル)開拓への努力不足
[ 13 ] ITの活用不足
[ 14 ] PR不足

(2) その他


[ 1 ] 人材不足、従業員の高齢化
[ 2 ] 労働条件・待遇改善への努力不足

 これらの問題点については、既に解決に向けた取り組みが企業や産地組合等で行われているとはいえ、十分とはいえない。危機感をもって必死の覚悟でこれらの問題点に真剣に取り組んでいかなければ、激しい国際競争に取り残されてしまうであろう。

 中国の国営企業をはじめとする外国企業は、豊富な労働力を背景とした価格競争力だけでなく、品質、納期といった非価格競争力も着実に向上させており、大きな脅威となっている。また今後もその脅威は増すであろう。もし国内タオル産業が競争に負け、日本の市場から国内商品が消滅し、マーケットが中国をはじめとするアジア諸国の商品で溢れるようになれば、消費者に安心と満足を与え、要るものを要るときに要るだけ提供することができなくなってしまう。そのようなことにならないように、われわれは、外国企業に比して優れている点、劣る点、あるいは今後改善によって優位に立てる点などを細かく分析し、海外企業に打ち勝つために何が必要か、何を早急にやらなければいけないのか、などを明らかにするとともに、それを確実に実行し競争力の回復を図っていかなければならない。

3.これまでも長年提言され、行われてきた取り組み
 これまでビジョン、あるいは外部からの提言を受け、産地組合や個別企業レベルで数々の取り組みが行われてきたが、今後のアクションプランを策定するうえで、過去の取り組みを明らかにしておく必要があるので、以下に列記する。

 産地組合等では、商品開発、販路開拓、人材育成を中心とした取り組みを行ってきたが、個々の企業においても、しっかりとした経営ビジョンを持って改革を実行してきたところも多い。この中には、革新的な取り組みの事例として注目を集めているところもある。

(1) 生産合理化

[ 1 ] コスト削減
(イ) 高性能・省力化設備の導入によるコスト削減
(ロ) 家族従業員を中心とした長時間操業、24時間操業、無人化操業等による徹底したコスト削減
(ハ) 人員の合理化によるコスト削減
(ニ) 諸経費の圧縮及び不採算設備の停止
(ホ) 不良在庫の縮減

[ 2 ]  短納期化
(イ) 工程間ネットワークによるリードタイムの短縮(45日→30日)
(ロ) 加工業者との密接な連携による超短納期の実現(3日乃至4日)

(2) 共同化、グループ化


[ 1 ] 共同化
(イ) 新繊維法に基づく構造改善グループによる共同事業(加工、配送など)
  ・大阪2グループ、今治5グループ

[ 2 ] グループ化
(イ) 環境問題や品質向上、国際競争力アップを目指したグループ(生産、加工、公設試験場等)の結成
  ・大阪グリーンタオル生産倶楽部
(ロ) 特殊織物などこだわりのあるものづくりと輸出を目指したベンチャー企業グループ(企画、生産、加工、機械メーカー等)の結成
  ・(有)菱花
(ハ) 産地間のグループ化
  ・大阪・今治の産地間技術連携による高付加価値商品開発グループの結成

(3)商品開発、販売促進

[ 1 ]  新たな販路開拓
(イ) テキスタイル総合見本市「ジャパン・クリエーション」への出展
(ロ) (ロ) 産地(大阪、今治)における展示商談会の開催
  ・ 産地総合デザイン展「OSAKA TOWEL SYMPHONY」
・ 今治タオルフェア
(ハ) 内外のギフトショーへの出展
  ・ インターナショナルギフトショー、エコプロダクツ
・ カルフォルニアギフトフェア、ラスベガスギフトエクスポ

[ 2 ] 流通経路の簡素化
(イ) 流通チャネルの多様化時代への対応(小売店への直販化)
(ロ) 直売店の開設
  ・ りんくうタウンおよび大阪タオル工業組合内のアンテナショップ開設
・ 今治中心商店街のアンテナショップ開設
・ インショップ展開
(ハ) リソースセンター等での直販(ふわりブランド、各社オリジナル商品など)

[ 3 ] 情報発信(各種イベントの開催他)
(イ) 展示即売会の開催
  ・ 今治タオルフェア(春)
・ タオルバザール(夏)
(ロ) 「ふわり」新作展の開催
  ・ 「ふわり」ブランドの新作展示発表会の開催
(ハ) 小中学生タオルデザイン展の開催
  ・ 地元小中学生を対象としたタオルデザイン展の開催
(ニ) 綿を育てよう運動の展開
  ・ 市民に綿を栽培してもらい、その綿を紡績し製織したタオルを無料提供
(ホ) 常設展示場の設置
  ・ 交通機関の地元窓口(JR、空港など) ・ 地元銀行の東京、大阪支店

[ 4 ] 新商品の開発
(イ) 2重織・3重織等、特殊織のアパレル・インテリア用テキスタイル素材の開発
(ロ) 澱粉糊を使った自然加工タオルの開発
(ハ) アイデア商品
(メジャー付きバスタオル、ペット用バスローブ、ねじりタオル、こりこりタオル、ケナフタオル、ミルクタオル、2千円札タオル、遠赤外線繊維使用の「爽快眠」タオル、セシリン加工タオル、波動タオル、みかんタオルなど)
(ニ) 新用途商品
(マフラー、コースター、バッグ、ポーチ、パジャマ、紫外線を通さない繊維を使った自動車カバー、パソコンカバー、ひざ掛け、枕カバー、マット、介護用シーツ、ヘッドバンド、リストバンド、帽子など)

[ 5 ] 新分野開拓
(イ) 介護
(ロ) アパレル・インテリア
(ハ) スポーツカジュアル
(ニ) 寝具

[ 6 ] 消費者ニーズの把握
(イ) 消費者懇談会の開催
(ロ) フェア等でのアンケートの実施
(ハ) マーケティング調査

[ 7 ]  ITの活用
(イ) インターネットを活用した自社商品の販売(28社)

[ 8 ] 商品企画開発力・技術開発力の強化
(イ) 産地ブランド開発における企画のコンペ方式の導入
(ロ) クリエーション、マーケティングセミナーの開催
(ハ) 捨て糸のリサイクル技術の開発

(4)人材育成

[ 1 ] 生産から企画販売まで総合的な人材育成のための研修会の開催
     (毎年15回程度)
[ 2 ] QR研修会への参加(毎年2〜3回)
[ 3 ] IT講習会の開催

4.タオル業界の目指すべき基本目標
 タオル業界として目指すべき基本目標は、輸入タオルの激増、国内タオル市場の成熟による消費者嗜好の変化など、厳しい事業環境の変化の中で、その環境に適切かつ柔軟に適応し、競争力の回復を図るべく、ターゲットを「中高級品タオル」及び「脱タオル製品」に定め、消費者ニーズを的確に反映した商品を提供することで、国内市場及びアジア・欧米等の海外市場において顧客(消費者、企業など)の強い支持を獲得できる、消費者視点に立った生産・流通体制(構造)を構築することである。

 具体的には、以下のとおり。


◆生産

(1)脱ギフト化を目指した差別化商品開発
   (新分野・ニッチ市場商品、新用途開発)
 高い技術力を活かし、消費者ニーズに基づいた高品質・高付加価値の中高級品タオル(環境対応型商品等)や、介護用、乳幼児用等の脱タオル製品、既往の技術を活かした新分野・新用途製品など、脱ギフト化を目指した差別化商品の開発を行い、ニッチな分野における国内市場での確固たる地位を築き、輸出も視野に入れた国際競争力のある商品を生産する。
(2)情報化による多品種・小ロット・短納期体制の構築
 産地における集積、分業体制のメリットを最大限生かし、徹底したQRの推進やITの活用などにより、生産コストの削減を図るとともに、消費者に近い立地の優位性に立脚し、多品種・小ロット・短納期での消費者ニーズに迅速、的確に対応した生産を行う。

◆流通

(3)消費者がメリットを享受できる流通構造への改革
 現在の複雑で高コスト、かつ情報が分断された流通構造を抜本的に改革し、無駄な流通コストを省き、消費者ニーズを的確、効率的に吸い上げ、商品企画、生産に活かせるような、簡略化された流通体制を構築する。形態は企業の選択により、SPA(直営店やインターネットを介して自社ブランドを販売)、小売店への直売、問屋を介した販売(既存問屋、異業種問屋等との新たな協力関係の構築、連携)などいくつか考えられる。

◆市場

(4)「中高級品タオル」及び「脱タオル製品」をターゲットに国内市場及びアジア・欧米等の海外市場において積極的にマーケット開拓
 国内タオル産業のターゲットは、多くの輸入品とは差別化できる「中高級レベルのタオル製品」及び「脱タオル・新用途製品」に定める。また、質の良い国産タオルは海外でも高い評価を受けていることから、「国内市場」のみにとどまらず、「海外、特にアジア・欧米地域の市場」をもターゲットとして、輸出振興を図る。

◆産地構造

(5)協業化やグループ化、企業統合による産地の新たなネットワークの形成
 生産・流通・市場における改革を行うためにも、基礎となる企業体力の回復は不可欠である。このため、協業化やグループ化、企業統合、合併等により、既存の産地、企業の枠組みにこだわらない新たなネットワークを形成し、新たな産地構造を構築する。

5.3年後のタオル業界の将来展望
 以上の基本目標の達成に向けて今後タオル業界が取り組む構造改善の効果を分かり易く示すため、3年後のタオル業界の姿を 「(1)TSGが発動されなかった場合」、「(2)TSGは発動されたが、構造改善への取り組みがなされなかった場合」、「(3)TSGが発動され、かつ構造改善がビジョン通り進められた場合」 の3通りで予想し、比較する。

(1)TSGが発動されなかった場合
 輸入が増加し続け、国内タオル業界は構造改善もできず、縮小の一途を辿る。
(2)TSGは発動されたが、構造改善への取り組みがなされなかった場合
 輸入数量は制限されるが、業界の構造問題は解消されず、業界縮小のスピードが一時期的に抑制されるにすぎない。
(3)TSGが発動され、かつ構造改善がビジョン通り進められた場合
 生産・流通システムの合理化やITを活用したQRの推進ならびに取引慣行の是正などの構造改善努力によって、従来品における生産コストや流通コストの削減が図られる。一方、高品質・高付加価値商品の開発・生産シフトによっては、従来の定番品生産より高い生産コストがかかることとなるが、できる限りの合理化を図ることで、その市場におけるコスト競争力を十分持ち得る水準を目指していく。品質の向上と、国内の成熟した多様な市場ニーズに即応するなどのサービス付加によって、国産品の価値は消費者の支持を得ることが可能であると考える。生産数量や売上高等の将来展望についても、今後検討し、予想を立てることとする。

    
平成12年現在
平成16年の姿
(1)TSGが発動されなかった場合 (2)TSGは発動されたが、構造改善への取り組みがなされなかった場合 (3)TSGが発動され、かつ構造改善がビジョン通り進められた場合
生産コスト
製品価格の
約30%
  
  
  
流通コスト
製品価格の
約70%
  
  
  
生 産 量
48,569t
(検討中)
(検討中)
(検討中)
売 上 高
71,251百万円
  
  
  
利  潤
91百万円
(対売上高経常利益率0.13%)
  
  
  
事業所数
405企業
  
  
  
雇用者数
5,521人
  
  
  

6.目標達成に向けて、今後3年間に緊急に取り組むべきアクションプラン
 構造改善に向けた取り組みは、既に企業努力により行われているところもあるが、業界全体としても、引き続き取り組み努力が必要である。それに加え、目標達成のための最重要事項として以下の取り組みを行う必要がある。過去の反省に立ち、単なる取り組みの羅列ではなく、具体的なアクションプランまで提示し、実行していくことによって、業界が一丸となって取り組みを進めていく。

(1) 脱ギフトの差別化戦略:新商品、新用途開発

 消費者ニーズを的確に汲み上げ、消費者の嗜好にあい時代の変化に適応した商品開発を行う。また、高い技術力を活かして、輸入品とは差別化され、かつ環境にやさしい商品など、高品質・高付加価値商品、あるいはこれまでのタオルとは違った新用途の開発を行う。

[ 1 ] 消費者ニーズの汲み上げ
a
ファクトリーショップ及び産地組合が運営するアンテナショップ(直売店)等におけるアンケート及び顧客カードからの情報収集
b
ホームページを活用した情報収集
c
大都市や地元で開催される展示見本市等における情報収集(継続)

[ 2 ] 環境にやさしい商品など、高品質、高付加価値の差別化商品開発
a
環境負荷の少ないオーガニックタオルの開発
b
肌にやさしい自然志向(澱粉糊使用)タオルの開発と「大阪グリーンタオル生産倶楽部」の認証
c
夏用タオル、冬用タオルの開発
d
紡績等との連携による特殊糸(タオル専用糸)・新素材の開発及び商品開発
e
海外の綿花生産者と契約し栽培した綿(世界最高級綿・オーガニック)によるタオル専用糸並びに商品開発
f
「嗜好に合った商品」の消費者及び小売店等との共同開発
g
プレステージ商品(超高品質、超高価格)の開発
h
自社ブランドの開発
i
産地ブランドの開発(継続)
j
品質保証マークの制定

[ 3 ] 新分野進出、ニッチ市場商品・新用途開発
a
アパレル、インテリア、介護、乳幼児用商品等の開発
b
アパレル・インテリア用織物の開発
c
異業種との連携による防虫タオル、タオル肌着等の開発
d
公設試験場、リソースセンター等との連携による提案型商品の開発

(2) 分断された流通構造の抜本的改革:新流通体制の確立

 
情報が分断され複雑で高コストの最大の要因となっている流通構造を抜本的に改革し、無駄な流通コストを省き、消費者情報が吸い上げられ、それが商品企画や生産に生かせる簡略化された流通体制を構築する。

[ 1 ] 小売り、消費者への直売
a
直営店開設(SPAの展開) 
b
ファクトリーショップの開設、SPAの推進
c
Webショップ販売

[ 2 ] 既存販売体制の改善
a
取引条件の改善(売買契約の履行、不当な値引きの排除、手形の短期化など)
b
機能ある問屋との共同開発、物流面等による協力関係の構築
c
消費者情報の共有
d
タオル専用WebEDIシステムの開発

(3) 積極的なマーケット開拓:産地から全国、海外へ

 
従来の問屋依存の販売体制を抜本的に改革し、自ら作ったものを自ら売るという実需直結システムを構築して国内外の市場開拓をはかる。特に質の良い国産タオルは海外でも高い評価を受けているので、積極的に海外市場開拓を行い、輸出振興を図る。また、メディアやインターネットを活用して積極的に産地や商品のPRを図る。

[ 1 ] 国内市場開拓
a
展示会(ジャパン・クリエーション、ハイムテキスタイルジャパン等)への出展
b
バイヤーを招聘しての展示商談会の開催(継続)

[ 2 ] 海外市場開拓
a
海外見本市(カルフォルニアギフトフェア、ハイムテキスタイル、パリメゾンオブジェ等)への出展
b
東南アジアへの日本ブランド戦略

[ 3 ] 産地・商品のPR
a
春、夏のタオルフェア、タオルバザールの開催(継続)
b
自治体が主催する物産展等への参加(継続)
c
小中学生によるタオルデザインコンクールの開催(継続)
d
新聞、雑誌、テレビ等での広報宣伝

(4) 企業体力回復:新ネットワーク形成

 
上記の重点事項を達成するうえで基礎となる企業体力を回復するため、現在の産地、企業の枠組みにこだわらずグループ化、企業統合又は合併を行う。

[ 1 ] 企業統合、合併
a
タオルメーカー同士(水平)、タオルメーカーと染色、縫製、プリント、問屋、小売りまで含めた(垂直)統合・合併

[ 2 ] 協業化、グループ化(水平又は垂直連携)
a
タオルメーカー同士(水平)、タオルメーカーと関連業者、紡績等との協業化、グループ化
b
協業化、グループ化に向けての組合における検討会
c
地場産業等活性化補助金を使った協業化事業

[ 3 ] 新ネットワークの形成
a
異業種連携、産地間連携
b
産地組合間、異業種組合間、リソースセンター間の研究会、検討会、意見交換会等
c
地場産補助金等の活用
d
公設試験場等の研究機関の活用

 なお、企業体力回復ためのこれらの取り組みは、基本的には個別企業であるので、日本タオル工業組合連合会としては啓蒙指導するとともに、その環境作りに努める。

(5) 人材基盤の確立:人材育成

 
時代の変化に的確に適応し、市場ニーズをいち早く吸収できる感性と創造性豊かな人材、消費者の求める高品質・高付加価値商品の生産を可能とする高度な技術を有する人材、企画から生産までのトータルコーディネイトができる人材等を養成し、21世紀に生き残れる層の厚い人材基盤を確立する。

[ 1 ] 人材資質の向上
a
デザイン等のクリエーション、マーケティングなどのセミナー・研修会の開催
b
IT研修の開催
c
海外先進地への人材派遣研修

[ 2 ] 人材養成
a
マイスター制の導入
b
高等技術専門校等との連携

(6) 国・自治体に求めるもの

[ 1 ] IT、技術革新への援助 
[ 2 ] 新商品開発および国内外への展示会出展の助成 
[ 3 ] 高コスト構造の是正


7.むすび
 日本タオル工業組合連合会は、昨今の中国等からの輸入急増を受けて、国内生産が減少の一途を辿り、このまま推移すると、国内産業は崩壊するのではないか、との危機感からWTOルールに則り、平成13年2月26日、平沼経済産業大臣に対して繊維セーフガード措置の発動要請を行った。

 しかし、繊維セーフガード措置はあくまで緊急避難であり、国内産業が生き残るには、国際競争力を持った活力ある産業に生まれ変わる必要がある。

 このため、日本タオル工業組合連合会では、タオル業界構造改善検討会(座長:辻悟一大阪市立大学経済学部教授)を設置し、これまで4回にわたって議論を重ね、課題や問題点の抽出、改革の方向や目標、目標達成のため取り組むべき向こう3年間のアクションプランなどを検討し、この構造改善ビジョンの中間とりまとめを策定した。

 この後、引き続きあと2回の検討会を行い、アクションプランの更なる具体化等、議論を深め、最終取りまとめを行う予定である。


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